会社が固定資産の修理、改良等の名義で支出した金額は、一時の損金となる修繕費と、固定資産の取得となる資本的支出とに分けられます。
修繕費と資本的支出の相違は次のとおりとなります。
支出の内容 固定資産の通常の維持管理及び原状回復のため等の支出
↓
区分 修繕費
↓
取扱い 支出事業年度で一時の損金とする
支出の内容 固定資産の使用可能期間の延長又は価値の増加をもたらす等の支出
↓
区分 資本的支出
↓
取扱い 固定資産を新たに取得したものとする
固定資産に対する支出が修繕費になるか資本的支出になるかの判断は、実務上は非常に困難なケースが多く見受けられます。そのため法人税基本通達で定めている一定の形式基準により修繕費と資本的支出の区分をしている場合には、税務上はその区分による処理を認めることとしています。
(修繕費、資本的支出の判定フローチャート)
固定資産の修理、改良等に支出した金額
↓
20万円未満かどうか Yes → 修繕費
↓No
修理、改良等がおおむね3年周期で行われる Yes → 修繕費
↓No
明らかに通常の維持管理のためのものか Yes → 修繕費
↓No
明らかでない場合には、60万円未満かどうか Yes → 修繕費
↓No
前期末取得価額の10%相当額以下か Yes → 修繕費
↓No
継続して支出金額の30%相当額 支出金額の30%
と前期末取得価額の10%相当額 相当額と前期末取
とのいずれか少ない金額を修繕費 Yes→ 得価額の10%相
とし、残りを資本的支出として処理 当額とのいずれか
しているか 少ない金額 → 修繕費
残りの金額
↓No ↓
資 本 的 支 出
2010.08.18
民主党政権となって初めての税制改正大綱が閣議決定されました。
「納税者主権の確立に向けて」と表題し、自民党政権時代の「既得権益を擁護してきた」ことを批判したうえで、納税者の立場に立った「公平・透明・納得」の三原則を基本とし、「控除から手当へ」への転換を明記しました。
注目されたいわゆる「1人オーナー会社課税制度」(特殊支配同族会社における業務主宰役員給与の損金不算入制度)は廃止されることになりました。なお、個人事業主との課税の不均衡を是正し、「二重控除」の問題を解消するための抜本的措置を平成23年度改正で講じるようです。
以下に他の改正の要点を税目ごとにまとめました。
法人課税
・100%グループ内の内国法人間での資産の移転(棚卸資産・1,000万円以下の資産を除く)を行ったことにより生ずる譲渡損益の計上を繰り延べることとする。
・100%グループ内の内国法人間の現物配当(みなし配当含む)について、譲渡損益の計上を繰り延べる。また、100%グループ内の内国法人の株式を発行法人に対して譲渡する等の場合には、その譲渡損益を計上しないこととする等、資本に関係する取引等に係る税制の整備を行う。
個人所得課税
・「所得控除から手当へ」の観点から、子ども手当の創設とあいまって、年少扶養親族(~15歳)に対する扶養控除(38万円)を廃止する。
・高校の実質無償化に伴い、16~18歳までの特定扶養親族に対する扶養控除の上乗せ部分(25万円)を廃止する
・個人住民税についても所得税と同様に、年少扶養親族に対する扶養控除及び16~18歳までの特定扶養親族に対する上乗せ部分を廃止する。
資産課税
・住宅取得等資金の贈与に係る贈与税の非課税措置について、所得制限を付した上で、非課税限度額を平成22年は1,500万円、平成23年は1,000万円に引き上げる。
・相続税の課税ベース・税率構造の見直しについて平成23年度税制改正を目指す。
その他
・たばこ税について1本あたり3.5円(価格上昇は5円程度)の税率引上げを行う。
・揮発油税、軽油引取税等については現行の暫定税率は廃止するが、現在の税率水準を維持する。
なお、上記の法案は今国会の予算関連の審議を経て4月1日以後、施行となる予定です。
2010.02.20
<社長と会社との取引には契約書が必要になります>
中小企業では会社の資金繰りが悪化したりすると社長や他の役員(社長等と言うことにします)がお金を会社に貸したり、逆に会社の余ったお金を社長等が借りたりすることがあります。
しかし、社長等が会社と契約書を交わさなかったり貸し借りが滞ったりするケースが見られます。
社長個人と会社は別人格なので契約書を交わすなど必要な手続きを忘れないようにして下さい。金銭消費貸借契約書を作成し取締役会(取締役会を設置していない会社は株主総会)の承認を受け議事録を残します。
金銭消費貸借契約書に記載する事項
1.契約日
2.貸主と借主の氏名
3.金額とその実行日
4.利率・利息
5.返済期限と返済方法
<社長が会社に金銭を貸す場合>
社長等が会社にお金を貸すときは会社が(運転資金程度であれば)利息を支払わなくても税務上は特に問題はないようです。社長等へ利息を支払う場合、過大とみなされると適正な利息との差額について課税関係が発生します。
<社長が会社から金銭を借りる場合>
社長等が会社からお金を借りるときは適正な利息を支払う必要があります。社長等が利息を支払わない時は、適正な利息との差額が社長等への給与となります。
なお、災害・疾病等により臨時的に多額な生活資金が必要となりその資金に充てるために会社が社長等に貸付を行った場合には、合理的な返済期間であれば、特に利息を発生させなくて良いとされているようです。
2009.11.18
相続時精算課税制度とは、高齢者の財産を下の世代にスムーズに移行させるための制度です。

| 本制度を活用するメリットとしては・・・ |
| ①贈与財産は、相続が発生したときに、贈与時の価額で評価されるため、将来値上がりしそうな財産には有利 |
| ②贈与財産が2500万円(住宅取得資金ならば3500万円)までは贈与税がかからない |
| ③贈与者ごとに相続時精算課税制度の選択ができる |
| ※本制度を選択するためには、その選択をしようとする贈与を受けた翌年2月1日から3月15日までの間に |
| 「選択の届出書」及び「贈与税の申告書」の提出が必要となります。 |
2009.05.15